ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『フランキー・マシーンの冬』ドン・ウィンズロウ, 東江一紀訳,角川文庫,2006→2010

 『犬の力』で傑作をものにしたウィンズロウの10作目の作品。『犬の力』よりは軽いタッチになっていますが、だらだらな文体のアメリカのベストセラー作品と異なり、普通と比較すればシンプルな文章、重いタッチでした。

 62歳の老殺し屋フランキー・マシーンは、離婚した妻、娘、現在の恋人と平和な暮らしを過ごしていた。ある日、何ものかに殺されそうになったフランクは、家族関係者を遠くに避難させて、自らも姿を消し、自分を狙うものは誰か探し出すのだが……。

 1人の殺し屋の一代記+マフィアが複雑に絡むスリラーで、自らの縄張り争いで殺し合うところなど、北野武の映画の『Brather』のようでした。☆☆☆★というところです。