ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性』高橋昌一郎,講談社現代新書,2008

 理性の限界とは、人間が認識しうる物事はどこまでなのかを議論することらしい。本書は、シンポジウム形式で、会社員、数理経済学者、哲学史家、運動選手、生理学者、科学社会学者、実験物理学者、カント主義者、論理実証主義者、国際政治学者などが議論したものです。
 このようなものを読むたびに、哲学とは世界の根本原理とは何かを考えるものと思っているのですが、新しい科学現象が観測されるたびに、古い哲学観が間違っていることが証明されているようなものなのに、決して間違っているとはいえないということに不可思議性を感じます。

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)