ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『マニアックス』山口雅也,講談社文庫,1998→2003

 マニアックなミステリ作家である山口雅也氏の短編集。「孤独の島の島」「モルグ氏の素晴らしきクリスマス・イブ」「《次号につづく》」「女優志願」「エド・ウッドの主題による変奏曲」「割れた卵のような」「人形の館の館」の9編が収められています。コレクトマニア、シネマニアたちを主人公あるいはテーマにしています。謎解きを主体としたものというよりは、「奇妙な味」のミステリです(この「奇妙な味」というフレーズもいつの間にか消えてしまいましたね)。

 山口氏の作風は純粋な想像力で人工的な味がして(決して人工的に作られていたものではないのですが)、そこが魅力的で、☆☆☆★というところです。

 山口雅也氏といえば、『ミステリマガジン 2012年 10月号』で特集を責任編集していましたが、この企画はよかったですねえ。王道、マニアックな短篇ミステリ、評論、カートーンなどバラエティにとんでいて。

マニアックス (講談社文庫)

マニアックス (講談社文庫)

ミステリマガジン 2012年 10月号 [雑誌]

ミステリマガジン 2012年 10月号 [雑誌]