ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『ゴールデンタイム番外 百年後の夏もあたしたちは笑ってる』竹宮ゆゆこ, 駒都えーじ,電撃文庫,2013

 「ゴールデンタイム・シリーズ」の「番外」編。発売日とともに購入。わたしにとって、そのような小説はないので珍しい。

 前回は「外伝」でした。本編からスピンオフの「光央の部屋」「百年後の夏もあたしたちは笑っている」「サマーナイトツアー」のコメディ中編3作が収録。「光央の部屋」はイケメンの光央の汚部屋から、細かなモノが消えているように感じた2人はその真相を探ろうとする話。「百年後…」は海水浴行の前日譚で、万里の友人に対する誤解をもつ香子の話。「サマーナイトツアー」はライブ前日にもかかわらずスランプのNANA先輩とそのバンド仲間に奇妙な依頼を受ける話。それぞれ面白いのですが、『とらドラ!』のスピンオフ短編のときより切れ味が少なくなっているような気がします。

 それにしても、このようなライトノベルなりラブコメなり、ミステリ以外の小説を竹宮氏以外にも手に取るようになるのかなと自分に期待していたのですが、どうも、そのようにはなりません。欠乏より充足してしまっていますね。