ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『太陽の塔』森見登美彦,新潮文庫,2003→2006

 未だに私にとっては森見氏は『夜は短し歩けよ乙女』の著者で、本作は日本ファンタジーノベル大賞を受賞したデビュー作。『夜は…』は非常に愉しんだので、他の作品も辿って読むつもりだったのが、どういうわけかこれまで時間が空いてしまいました。
 主人公は京都にひとり暮らしをする休学中の5回生の大学生である「私」。3回生のときまで女っ気がなしだった。水尾さんという恋人ができたのだが袖にされてしまった。私は水尾さん研究をしていたのだが拒否されてしまったのだ。それからはこっそり水尾さん研究を続けてきたのだが、ある日、見知らぬ男に「これ以上、彼女につきまとったら警察を呼ぶ」と警告されてしまった……。
 というような、一体何でファンタジーノベル大賞を受傷したのか分からない、ある種の青春小説でした。このような小説は20歳ぐらいに読んだら熱を入れあげていたでしょう。

太陽の塔 (新潮文庫)

太陽の塔 (新潮文庫)