ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『“文学少女”と神に臨む作家』野村美月,ファミ通文庫,2008

 文学少女シリーズ第7作目にして最終巻。それぞれの巻でそれぞれの登場人物にまつわる物語を語ってきたシリーズですが、いよいよ文学少女天野遠子の物語で閉幕しました。このシリーズは不思議な魅力をもっていて、ドラマのカタルシスよりも、謎解きのカタルシスを味わうことができました。本書も上下巻という大著であり、下巻の最後100頁にわたる遠子にまつわる謎解き部分は圧巻で、まさに巻を置くにあたわず、でした。