さて、書評された内容で自分に合うかもしれないと、かねがね気になっていた新人のミステリ短編集です。アラビアの砂漠、スペインの風車、ロシアの修道院、ブラジルのアマゾンなどを舞台にした、一人の日本人の青年が主人公の連作ミステリが5作収録されています。このくらいの予備知識で読み始めたので、表題から「叫び」と「祈り」が本書の中で自信作なのかなと思っていましたら、実際は違っていました。
新しい密室の提示、斬新なトリック、きれいな文体など長所がありますが、視点の乱れが気になって、☆☆☆★というところです。評判があまりよくない第2作が結構好きですね。謎解きとしては反則かもしれませんが、物語としてはありというかんじで。
- 作者: 梓崎優
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2010/02/24
- メディア: 単行本
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