ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『古本屋ツアー・イン・ジャパン』小山力也,原書房,2013

 早稲田の書店で見かけてすぐさま購入した本。私は古本屋に行くのは好きなのですが、それは単にケチが高じたものであり、なるべく安く購入して多く読みたいだけなので、ブックオフばかり行っています(本日も行きました)。全国各地に旅行や出張に行くたびに、そこの地元のブックオフ+古本屋に行っています。最近は家に本が増えすぎるのは嫌なので、あまり購入しなくなってしまいましたが。

 このブログを立ち上げたときは、古本屋に行くたびに記録を残しておこうと、結構写真を撮ったりしたものですが、お店を説明するということは非常に難しく、結構面倒なのでやめてしまいました。

 さて本書は、日本中の古本屋に行って、執拗に店外・店内の描写をすることに徹したルポルタージュで、ブログに連載したものから150店を選んで、掲載したものです。私は恥ずかしながら、そのブログを本書を読むまでまったく知りませんでした。それは私が本物の「古本者」ではないからでしょう。今ではそのブログを毎日読んでいます。

 全国の古本屋をまわるのは、全国のラーメン屋をまわるのと同じことで、質の良いお店は駅近にあるとは限らず、結構、駅から離れていたりして、車がないと難しいのですが、この著者は電車と駅からの徒歩、すなわち「ダッシュ」で移動しているのが驚異的です。駅から離れていると、歩くのはしんどいですからねえ。それだけで行くのを諦めてしまいます。タクシーを使うのがよいのでしょうか、古本を買うのにタクシーを使うというバカバカしさに、よっぽどのことがない限りできませんね。私は過去2回ぐらいやりましたが……。

 とにかく、本書は古本ガイドブックとしては質量ともに驚異的です。作者が古本屋へ行くたびに、必ず一冊は購入しているのも、驚異的ですね。なかなかできないものですよ。

古本屋ツアー・イン・ジャパン

古本屋ツアー・イン・ジャパン