ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『彼女たちの売春(ワリキリ)――社会からの斥力、出会い系の引力』荻上チキ,扶桑社,2012

 出会い系喫茶にいる女性の売春について、直接女性たちにコンタクトをとって取材しデータをとったもの。直接、男性と交渉して売春することを割り切り(ワリキリ)といい、風俗にいる女性とは異なる、女性が金を得るための方法の一つとして必要なものとして存在してしまったことがわかります。意外と言ったら失礼ですが、普通の風俗では(たいしたものではありませんが)最低限のコミュニケーション能力だったり、例えば約束した時間通りに出勤するということが求められますが、それが苦手な人がいるわけです。なんと言ったらよいか、読んでいるとうつになります。

 まったく別のことですが、本書の活字の組版が非常に読みやすいものでした。書体の選択、文字の大きさ、文字数、行数などがしっくりきましたね。

彼女たちの売春(ワリキリ) 社会からの斥力、出会い系の引力

彼女たちの売春(ワリキリ) 社会からの斥力、出会い系の引力