ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『仮面ひきこもり――あなたのまわりにもいる「第2のひきこもり」』服部雄一、角川oneテーマ21,2014

 池袋ジュンク堂の1階の新刊コーナーに売れている本の一つとして置かれていた新書です。ジュンク堂の新刊コーナーは新刊を出版したからといって無条件に置かれるわけではないんです。前著がベストセラーになったか、賞を受賞したか、書評などで評判を得たか、担当者が興味をもったか、どのような基準なのか分からないのですが、何か条件があるらしい。膨大な新刊が出ていますので、当たり前と言えば当たり前なのでですが。ちなみに私が編集したものでは1冊ぐらいしかありません。まあ、専門書ですからねえ…。

 だから興味をもったわけです。おそらくは売れている新書ということで。またタイトルも少し興味があるものでしたし。私ももしかしたら、該当するのではないかと期待して。

 著者によると、従来の「ひきこもり」とは、家から6カ月以上出ることがない「社会的ひきこもり」であり、本書ではそれとは異なって、社会的な参加はしているものの内面で人間不信と対人恐怖を抱えている「仮面ひきこもり」が多数存在し、それにより結婚ができないなど社会的な問題の理由の一つとなっている。その原因は、子ども時代と家庭環境にあり、きちんとした対処を行えば治療できるものである、というものです。