ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『リバースエッジ 大川端探偵社 第5巻』ひじかた憂峰=作, たなか亜希夫=画,日本文芸社,2014

 『湯けむりスナイパー』と同じようにテレビドラマ化されましたが、その決定が報道されたときは驚きました。本作はあまりキャラクターもドラマがなく、エピソードだけなので、テレビドラマにするには持たないと思ったからです。それでも、『湯けむり』のように30分を2〜3本立てにすれば大丈夫かなと。

 しかし『湯けむり』が同じ舞台ですから撮影が比較的まわせたのでしょうが、本作は一つひとつの場面で、舞台もシチュエーションも異なるためか、その方法は使えなかったのでしょうか。キャラクターを肉付けして、エピソードを付け足して一回一話で製作していました。テレビドラマのキャラの付け方は上手かったですね。和服の老人の探偵事務所の所長とは、あまりこれまで見られず、しかしなかなかリアリティがありました。

 さて、テレビドラマの最終回直前に発行された、第5巻。このなかでテレビドラマ化されたのが、市民マラソンランナーのお話。薬物を使用しても早く走りたい欲求があるというランナーの動機や、その薬物による急死というエンディングを上手く付け足ししていましたね。原作では、まったく説明していませんでしたが、それを仄めかしていました。どちらがいいのか……。