ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『海街diary 第6巻 四月になれば彼女は』吉田秋生,フラワーコミックス,2014

 もうこの歳になりますと、同じマンガのシリーズは質の高いものを年に1〜2冊発行してもらうのが、生活ペースにあいます。年1冊で6年間で6冊完結ぐらいがちょうど良いです。本シリーズはそのような理想的なペースでしたが、前の巻から本巻にまでは少し時間が空きすぎてしまったように思います。少なくとも年1冊は出してくれえ。

 その分、内容はぎゅっと詰め込んだような読み応えあるものでした。1頁にコマが5段なんて、本当に久々に見ましたよ。なんとなく、割り当たられたページ数が少なくて、無理やり押し込んだような感じです。

 あと要望があるとすれば、もう少し、よい用紙を使って欲しいですねえ。内容が素晴らしいのですから、白でもっとしっかりした用紙を、というのは、このコミックスの仕様から外れることですので、できないものなんでしょうけど、そんなふうに勿体なく思わせてくれる作品で、あまり他にはないですよね。

 また実写映画も愉しみです。是枝監督はどのように形にするのでしょうか。考えてみれば『桜の園』のように、オムニバスからの映画化ですから、同じようにするのかもしれません。さらに同時期にアニメ化してもいいと思うのですが。