ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『ミステリマガジン 2015年 01月号』早川書房,2014

 昨年のニュースのなかで気になったものといえば、以下の「〈ミステリマガジン〉〈SFマガジン〉〈悲劇喜劇〉隔月刊化のお知らせ (2014/11/26)」http://www.hayakawa-online.co.jp/new/2014-11-26-211853.html です。巷間いわれてる翻訳ミステリの売れ行き部数をみて、翻訳ミステリ業界の縮小ぶりにやばいものを感じていましたが、それが形になって現れたようです。

 『ミステリマガジン』の売り上げ部数は知りませんが、いろいろと実験している編集ぶりをみて、厳しいのではないかなと危惧していました。部数減の理由としては、やはりネットが大きいのでしょう。私が関連しているのは専門書で、ネットの影響がもっとも少ないのですが、それでも大きく減少しています。そして、これからもさらに減少すると思われます。

 これから生き残る道ですが、雑誌の売り上げでプラスにすることは諦めるしかありません。というか、早川書房としてもすでに諦めているでしょう。海外ミステリのファンは少なく、ある一定数しかいないといわれています。これは、専門書と全く同じ立ち位置です。ファンやマニアに対して、いかに手堅く購入してもらえるか、少部数の売り上げで黒字にもっていくか、赤字の書籍をなくすか、に注力していくと思われます。これは、海外クラシックミステリをハードカバーで出版した方法と同じです(といっても、行っている出版社が次々に移っているのが本当に黒字になっているか疑わしいのですが……)。

 雑誌のweb版は必須です。雑誌はどうしても情報が2カ月遅れになってしまいますので、出版されている頃にはネットにほとんどが情報が流れています。例えば、Amazonでの書評のように。毎日毎日少しでも良いので、情報を流してほしいです。webでしたが、もっとマニアックな情報、もっとニッチな情報、海外とのダイレクトな情報も流し、「ごった煮」のようにしてほしいです。

弊社刊行の雑誌三誌〈ミステリマガジン〉〈SFマガジン〉〈悲劇喜劇〉は、2015年より隔月刊に移行します。
発売日はそれぞれ、〈ミステリマガジン〉は奇数月25日、〈SFマガジン〉は偶数月25日、〈悲劇喜劇〉は偶数月7日となります。

具体的な発売日は、以下の通りです。
〈ミステリマガジン〉は、2015年1月24日(土)に3月号を刊行した後、3月25日(水)発売の5月号より隔月で刊行します。
SFマガジン〉は、2014年12月25日(木)に2月号を刊行した後、2月25日(水)発売の4月号より隔月で刊行します。
〈悲劇喜劇〉は、2015年1月7日(水)に2月号を、2月7日(土)に3月号を刊行した後、4月7日(火)発売の5月号より隔月で刊行します。
各誌隔月刊に移行後は、誌面リニューアルを行い、これまで以上に充実した内容でお届けいたします。

早川書房は、2015年に創立70周年を迎えます。さまざまな記念企画を準備中ですが、その一つとして〈SFマガジン〉〈ミステリマガジン〉のweb版もスタートに向け準備中です。

今後とも変わらぬご愛顧をお願いいたします。

 あと、本書のランキングですが『その女アレックス』はフランスミステリだったので、スルーしてしまいましたなあ。あまりフランスミステリにいい思い出がないので。ポール・アルテがいますが、アルテにしても文章にミステリに求める完璧感がないんですよねえ。