ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『ちばてつやが語る「ちばてつや」』ちばてつや,集英社新書,2014

 ちばてつや氏のデビューから今のところの最後の作品までの自作解説集。これは、たぶんですが、『ちばてつや全集』刊行の時に一冊一冊ちば氏が自作解説をおまけで付けていましたが、それらをまとめたもののようです。できればまとめることをせず、そのまま転載してほしかったですが、まあ新書という形で商売する以上、リライトはしょうがないでしょう。それでもこのような書籍の刊行は意義があります。

 私が本書で初めて知ったエピソードは、ちば氏が講談社でガラスによる事故を起こして、下書きまでできていたものを、編集者が丸山氏がトキワ荘グループにペン入れから先を依頼したことです。これまで丸山氏のエッセイなどで断片的に語られていただけだったので、少しスッキリしました。

 昔、自分のベストフェイバリットのマンガを考えたことがありますが、その中の1つが『おれは鉄平』です。まあそれは、最初に「ちばてつや枠」があって、『鉄平』でなければ『のたり松太郎』『あしたのジョー』になるわけですが。