作者はアニメスタジオのトリガーのプロデューサー。アニメ制作においては、演出、作画監督に並ぶアニメの質に重要な役割にもかかわらず、あまり語られてきませんでした。本書はアニメの制作進行の役割とマニュアルを解説したものです。
私の興味としては、他書でも同じなのですが、制作進行というお仕事は、書籍における編集者に近いものであり、それを知ることで、自分の仕事に還元できるのではないか、というものでした。
書籍制作においては、企画・構成を立てる、原稿・イラストなどを集めまとめる、デザインなど指定しDTP担当者に渡して、執筆者との調整の上最後まで仕上げる、という工程を経ます。もっとおおざっぱにいえば、版元(=出版社)が企画、制作が編集プロダクションです。もちろん、企画・制作ともに版元(出版社)であることが多く、それが望ましいと私は考えています(なぜなら、売れることをきちんと意識して制作するのは版元だから)。
アニメの制作進行は、この編プロにあたる役割に相当します。クリエイターや執筆者を支えるという点でも共通していますね。
そういえば、アニメの『SHIROBAKO』は制作進行が主役ですね。この作品は面白いです。第1部最終話では少し涙がこぼれました。『SHIROBAKO』を見ていると、それぞれの担当が自分の役割を全うすることが重要で、モノを作るということはこういうことだよな、だから失敗作も作品として存在するのだ、としみじみ感じ入ります。
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