ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『私がデビューしたころ ―ミステリ作家51人の始まり』東京創元社編集部編,東京創元社,2014

 ミステリ雑誌に連載されたタイトル通りのテーマのエッセイをまとめたもの。作家になるプロセスがさまざまであることがわかります。そのなかで新人賞などのコンテストやベストランキングには向いていない作風だけれども、出版されてしまえば、ある程度のコンスタントな売り上げ部数をかせぐことができる作家に興味をもちました。

 このなかには島田荘司氏も書かれていましたが、昔の『ダ・カーポ』というコラム雑誌での新人当時の島田荘司氏のインタビューを思い出します。そのインタビューはものすごく面白かったのですが、インタビューですからエッセイ集などに含まれていないかもしれません。いま手元にないのでうろ覚えですが、「私は新人賞をとっていないから、賞をとった人の4〜5倍書かなくてはならなかったんですよ」というものでした。