ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『サンドリーヌ裁判』トマス・H・クック, 村松潔訳,ハヤカワ・ポケット・ミステリ,2013,2015,☆☆☆★

 クックの最新刊。大学教授の妻が薬による自殺で発見された。しかし発見した大学教授の対応が不自然だったことから、検察は殺人と判断し、大学教授を訴える。本書は、その裁判の1日目から始まる。検察側は、大学教授が遺体発見時に落ち着いていたこと、遺書ではない文書、不倫をしていたこと状況証拠をあぶり出すのだが……。

 クックは、内面を見せすぎる文体があまり好きではないけれど、シリーズでなく、ストーリーテリングが上手く、ページ数も手頃なので、ついつい新刊に手を出してしまいます。そして、本書のようなクックの選んだ結末は、妥当だけど驚きがちょっと物足りなかったかなというところで、☆☆☆★ですね。

サンドリーヌ裁判 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

サンドリーヌ裁判 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)