ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『ナイチンゲールの屍衣』P・D・ジェイムズ, 隅田たけ子訳,ハヤカワ・ミステリ1246,1971,1975

 P・D・ジェイムズ第4作目の作品で、CWA賞(英国推理作家協会)シルバーダガー賞受賞作。ジェイムズの代表作の一つとされています。ジェイムズはなかなか読み取れず退屈になってしまうのですが、ジェイムズの評判を見ると、何故か手に取りたくなってしまうのです。本書は、なるべくストーリーだけ追えることができればと、流し読みしました。

 ジェイムズを読んでいると、警官の尋問の繰り返しを退屈と感じない人が大勢いることがわかります。クイーンなんかは、尋問の繰り返しは退屈という評価を真に受けてしまって、後期に苦労したわけですが、それとは対照的ですね。やはり読みづらいということで、ファンだけが読めば良いという意味で、☆☆☆★というところです。あの犯人像は当時新しかったのかなあ……。クリスティにあるような気がするけど。