ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『「週刊SPA!」黄金伝説1988〜1995――おたくの時代を作った男』ツルシカズヒコ,朝日新聞出版,2010

 『SPA!』三代目編集長の手記で拾いもの。私は編集者の記録を読もうと集めているのですが、本書は興味をもっていませんでした。ところが実際に手に取ったとき、著者が『月刊OUT』の編集から始めているのをみて、興味をもちました。

 あの時代の空気が確実に感じ取れます。私は『週刊テーミス』中途から『SPA!』を創刊当時から読んでいて(ついでに『PANJA』もね)、就職活動期に扶桑社を受けたことを思い出します。そのとき、たしか渡辺編集長で、会社説明で『SPA!』は二つの編集部があり交互に特集を受け持っていると聞いた覚えがあります。まあ、ぼんやりマスコミの仕事をしたいと思っていたボンクラ学生が読む雑誌だったということです。これは今も変わらないかな。

 本書を読んで、著者が編集長を辞めた理由を思い出しました。小林よしのり氏との確執で、そういえば『ゴーマニズム宣言』において、その内容が書かれていました。一読者からみても変な展開だなあと不思議に感じていました。本書はその、もう一人からの証言であり、その理由もまあまあ納得できるものでありましたが、何かを隠しているような、もう少しすっきりしない感じもしますね。

 なお『PANJA』では『孤独のグルメ』が連載されておりましたが、私は同じ谷口ジローの絵の『サムライ・ノングラータ』のほうが好きだったんですよ。と書いたあと調べてみたら、『サムライ』は『GORO』の連載マンガでした。勘違いしておりました。でも、『サムライ』はあまり語られないけど、傑作なんですよ。

「週刊SPA!」黄金伝説 1988~1995 おたくの時代を作った男

「週刊SPA!」黄金伝説 1988~1995 おたくの時代を作った男

孤独のグルメ (扶桑社文庫)

孤独のグルメ (扶桑社文庫)