ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『森を抜ける道』コリン・デクスター、大庭忠男訳、ハヤカワ ポケット ミステリ、1992、1993ーーなぜ失踪した女子学生を探す詩が送られてきたか?

 コリン・デクスターのモース主任警部シリーズ・全13作中に第9作目の作品。残りは少なくなってきました。本作は、英国推理作家協会賞ゴールド・ダカー受賞作ということは、トップの作品ですね。トリックそのものは、そういう作品です。 

 休暇でホテルに滞在していたモース主任警部は、『タイムズ』に警察から、詩の解読への協力を依頼した記事を見かけた。その記事によると、一年前のスウェーデンの女子学生が失踪した事件と関連がある詩が警察に送られてきた。その謎解きのために掲載された詩は、「わたしを見つけて、スウェーデンの娘を」で始まるものだった。事件が気になったモースは捜査を始めるのだが……。 

 最後は二転三転していき、少し意外な結果にもたらすところが、トリックだけに注視すれば、☆☆☆☆というところです。しかし、なんでこんなにわかりづらい文章や構成にするんですかねえ。時系列がバラバラでした。また、詩を公開して、読者からそれぞれ推理を披露するという形ですが、まったく面白いとは思えませんでした。  

森を抜ける道 (ハヤカワ ポケット ミステリ)

森を抜ける道 (ハヤカワ ポケット ミステリ)