水木しげる先生の自伝。上巻が戦前編、中巻が戦中編、下巻が戦後編となっています。いままで水木先生が描かれたものの寄せ集め的な感じがしますが、こういう一冊にまとまっているのは良いことだなと思います。戦前の境港の様子であるとか、戦争のことであるとか、戦後のマンガ史の一部を垣間見ることができます。
やっぱり戦中編がもっとも面白いですね。戦争というもの、組織というもののいやらしさがむき出しになっているので。上司が保身にまわって部下が被害にあう例が出てくるのがなんとも……。控えめにいって、一生のうち 一回は必読なのではないでしょうか。