ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『企業不祥事の研究―経営者の視点から不祥事を見る』井上泉,文眞堂,2015

 11の事例研究を通して、企業不祥事とは何か、どのようにして防ぐのかを示した研究論文をまとめたもの。企業不祥事について大まかに知っておきたくて手に取りました。読み物ではなく、論文をもとにしているので、読みづらいのは承知のうえで読み飛ばしました。

 事例は、少し古いものから、大王製紙巨額借入事件、オリンパス粉飾決算事件、カネボウ美白化粧品事件など、割合最近の事件が多く挙げられてます。

 不祥事の当事者の心理プロセスをきちんと整理してあって、①罪悪感、②自己正当化、③会社への逆恨みを示しています(9ページより)。その原因は、会社内のモラルの低下を指摘しています。資料としては良い論文ですね。 

企業不祥事の研究 経営者の視点から不祥事を見る

企業不祥事の研究 経営者の視点から不祥事を見る