先日は、コリン・デクスターが亡くなられたんですね。デクスターの功績といえば、やはり謎解きミステリをピーター・ラヴゼイとともに引っ張んてきたということでしょう。また、モース警部という個性的かつイギリスの探偵として伝統的なキャラクターを創造したことでしょう。ドラマも評判になったようですし。
本作は、コリン・デクスターの全13作中12作目の作品。
住宅街のブロクサム通り17号に住む29歳の物理療法士の女性・レイチェル・ジェームズは、裏の台所で銃で撃たれて殺され血だらけの遺体で発見され、近所の人に発見されて通報された。彼女は外から窓越しに撃たれていた。レイチェルの家からは誰にあてたかわからない、結婚を乞うように読める手紙とレイチェルと男が一緒の写真が発見された。モースとルイスはその男の捜査から始めた。
その写真の男は、ジュリアン・ストーズで大学の特別研究員で、大学の学寮長の選挙に出るところだった。レイチェルの隣にジェフリー・オーエンズという男が住んでいたい。レイチェルとストーズが付き合っていることを知ったオーエンズという関係があるかもしれない……。さらに近所の聞き込みをかけ状況を鑑みると、もしかしたら、長髪のオーエンズを間違えてレイチェルを殺したのではないか……。さまざまな推理をして捜査にあたるモースとルイスだが……。
基本的にアリバイ崩しで、まるで日本の社会派ミステリのようなストーリーとトリックでした(そういえば社会派ミステリ・社会派推理小説という言葉はいつの間にか消えてしまいましたね)。といっても本作はシリーズの中でも読みやすく☆☆☆★というところです。