酒見版・諸葛孔明の最終巻。益州南部の平定と北伐、そして孔明の死を記しています。とにかく面白いのですが、最初から比べるとちょっと真面目に語ってしまっています。
本書を読むまで、孔明が戦下手だったというのは気が付きませんでしたね。それまでは負け知らずだったからなんでしょうけど、確かに北伐は不思議がつくほど成功していません。魏との大きな戦力差、蜀の人材の少なさが強調されていたので、ごまかされていたんでしょうかね。
ところで、孟獲との戦いは読んでいる間中、「あれ、この安心感・爽快感は最近どこかで味わったことがあるぞ、どこだっけ」とハテナマークをつけていたのですが、あとから考えてみると、強者が弱者を徹底的にたたく、という意味で、これは俺ツエー系の元祖ですかね。その「どこか」は、たぶんネット小説を知っておこうと思って読んだ『転生したらスライムだった件』ですね。
あと、孟獲戦といえば、『傷追い人』ですね。最後のほうで、孟獲戦のオマージュを繰り広げていたんですよねえ。あれも良かった。
最後に、酒見先生には、二年に一冊ずつぐらい、テーマは何でもよいので、書いていただくことを切に願っています。
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