元東芝社長についてのノンフィクション。新聞か何かの書評で気になって手に取りました。私は企業物や経済物などのビジネス書については、まったくの門外漢なので、東芝はアメリカの原発企業を高値で買い取って大いなる負債を抱えて倒産しそうになったところを半導体部門などを売って、どうにかこらえたというぐらいしか知らず、東芝というのはどういう企業だったのか、大企業の論理はどういうものであるのか、という基本的なところから非常に面白かったです。
ノートパソコンの第1号が東芝で日本でなくヨーロッパで売れた、それを西田氏の営業の才覚で成し遂げ、30歳過ぎて入社にもかかわらずトップまで昇りつめたというエピソードから、なぜ原子力エネルギーに手を染めたのか、買収したアメリカの企業をコントロールできなかったことから、東芝の凋落の原因の一つであること、また、モノづくりの現場にいる人が社長になることがあることも興味深かったですね。
ノンフィクションそのものの評価としては、いいのか悪いのか判断できません。一気に最後まで読んでしまったのですから、よいのでしょうね。ただ素材がよかったという気がしますが、それも含めて著者の評価でしょう。
- 作者: 児玉博
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/11/15
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る