ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『屍人荘の殺人』今村昌弘,東京創元社,2017ーー今まで読んだことのないミステリ

 「デビュー作にして前代未聞の3冠! 『このミステリーがすごい!2018年版』第1位、『週刊文春』ミステリーベスト第1位、『2018本格ミステリ・ベスト10』第1位」という評価にして、何十万部も売れているベストセラー、そして、ラジオで東京創元社の編集者さんが「売れている理由はわからないけど、今の時代の『十角館』みたいな位置づけなのかなあ、と社内で話している」というようなことを話していて、それで興味をもちました。また先に読んだカミさんの感想を聞くと「…………」と言葉少なになってしまったのもあります。アマゾンの評価もバラバラですしね。

 というわけで読んだのですが、途中までさまざまなトリックや犯人像を推理していたのですが、まったく当たらず。まさか、このようなトリックーー例えばエレベーターの中の殺人のトリックなどは当たりませんでした。犯人のなぜ、この時に殺人を行ったかという設定は上手いと思いました。

 また最初やラストシーンの意味が分からなかったのは、集中して読めなかったためでしょう。しかし、作者の「今まで読んだことのないミステリ」を提示するというのは、果たせてるような気がします。というわけで、☆☆☆★というところです。  

屍人荘の殺人

屍人荘の殺人