ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさいー人生100年時代の個人M&A入門』 三戸政和、講談社+α新書、2018

 前回までフリーランス関係書3部作のような形で読んでしまいましたが、今回は偶然ですがちょっとしたスピンオフになりました。会社をもつということは、立派なフリーランスの一形態ですよね。

 ちょっと前に、知り合いの印刷会社の社長さんに「印刷業界はやっぱり厳しいんですか」と聞いたところ、「いや、そんなことないですよ。廃業している会社は結構あるのんですが、あれは黒字なんですけど、後継者がいないから潰しているんですね。印刷と言っても紙だけでなくいろんなところに印刷しますからね」と話していましたので、本書の「小さな会社を買う」という発想はまあそうなんだろうなと思って購入しました。

 とはいうものの、本書は私が期待した多くの事例であるとか、中小企業の買収のマニュアルではなく、サラリーマンはイチから起業するのではなく、大企業でマネジメント能力をもっている人は技術などをもっている中小企業のオーナーになったほうが成功する確率は高いし、そういう人が増えている、という内容。そういう意味で私には物足りなかったのですが、続編に期待です。