隻腕私立探偵ダン・フォーチューン・シリーズ第5作目の作品。しかし翻訳は3番めにされているということは、前々作、前作よりも評価されてのものなのか、さらに帯に「ニューヨーク・タイムズ」の「複雑なプロットを見事にまとめた傑作」と書かれていること、タイトルがかっこいいことから、ものすごく期待しました。
ある夜、ニューヨーク市マンハッタン区の南西部に位置する地区のチェルシーで質屋を営んていたフランス人のユージーン・マレーが自ら経営する質屋で撲殺された。犯人は警察によって店員のジミー・宗があっさり逮捕されたが、ジミーが犯人と信じられないユージーンの妻のヴィヴィアンヌにダンは捜査を依頼された。調べていくうちに、その日は複数の人間が出入りした上に、ユージーンの過去、そしてヨーロッパの戦争が絡んでいくのだった……。
しかし結論から言えば、殺人の機会がある複数名から誰が実行したのかという、今までのシリーズ作の中でもっともシンプルなプロット・トリックだったので、ちょっとがっかりでした。ちなみに「虎の影」は2つのことの隠喩でした。というわけで、☆☆☆★というところです。
- 作者: マイクル・コリンズ,水野谷とおる
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1980/04
- メディア: 新書
- この商品を含むブログを見る