ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『予期せぬ結末1 ミッドナイトブルー』ジョン・コリア、井上雅彦、植草昌実訳、扶桑社ミステリー、2013ーー奇妙な設定、奇妙な筋の運び、奇妙なオチがある

 奇妙な味のさきがけの作家、ジョン・コリアの短編集。私は昔『炎のなかの絵』を読んでいるのですが、あまり記憶に残りませんでした。他の作家よりオチの強烈度が少ない、物足りないと感じたように思います。

 本書は約300ページに17の短編が収録されており、なかにはショートショートといえるものもあり、非常に帰りの電車のなかで読むにはお手頃でした。一つ一つについて、奇妙な設定、奇妙な筋の運び、奇妙なオチがあり、そのようなものを求めるには最適の短編集と言えるでしょう。というわけで、☆☆☆というところです。 

 それにしても、もう少し短編集を出版してほしい。短編集の売上部数はいいのですから。このような企画は奇妙な味に限らず、もっと様々なジャンルで行っても良いのではないでしょうか。

予期せぬ結末1 ミッドナイトブルー (扶桑社ミステリー)

予期せぬ結末1 ミッドナイトブルー (扶桑社ミステリー)