ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『ディオゲネス変奏曲』陳浩基、稲村文吾訳、ハヤカワ・ポケット・ミステリ、2019ーー作者ファン向けの昔の香りのする短編集

 『13・67』の作者・陳浩基氏の短編集。339ページで17編が収録されています。かねてから言われていたとおり、SFもあって、バラエティにとんでいます。ショートショートもありますが、落ちのある話というよりも、スケッチという感じで、ファン向けの短編集ですね。

 『13・67』ではミステリ的なトリックというよりも仕掛け・構成に加えて、キャラクター描写がよかったのですが、本書も遺憾なく発揮されています。SFなどは筒井康隆などの昔懐かしい日本のSF小説を思わせます。というわけで☆☆☆★というところです。 

ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)