フランスのジャーナリスト、作家、翻訳家、ライターのミステリ作家デビュー作。内容はいろいろな媒体に展開できるようになっていて、いかにもこれらの経歴を活かしきった作品でした。
パリ警視庁に新たに特別捜査班が設置された。メンバーは約20名で『相棒』のハイブリッド版といっていい。その中心になったのは、警視正のアンヌ・カベスタンで、癖のあるメンバーとやり合いながら、迷宮になった事件を捜査していくのいうのがアウトライン。その事件というのが3つ同時並行で捜査していくのだけど…。
やはりデビュー作というのもあって、ぎこちなさがあって、あまり字面だけを追って読むだけだと、ストーリーが把握できず、もう一度戻って読むことも何回かありました(これは自分の集中力のなさのせいが大きいのだけれど)。
また、キャラクター小説の側面が強いけれど、滑っているように思う。自国の評価は☆5つばかりのようだし、アマゾンの評価も高いから、これも私のせいだろう。
トリックというか、意外性そのものは、デビュー作という感じがあって、意欲的でなかなかよかった。もっと話運びがうまくなれば、すばらしい作品もこれから出てくるのではないだろうか。というわけで、☆☆☆★というところです。
ーーしかし、アマゾンの評価で読まないままで他の作品と設定が似ているだけというだけで☆1つをつけるのは、出版社の人間として、ひどすぎる。このような設定など昔から多くあるもののバリエーションに過ぎないのだから。
- 作者: ソフィー・エナフ,山本知子,川口明百美
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2019/05/01
- メディア: 新書
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