リディア・チン&ビル・スミスシリーズ第2作目で、1996年シェイマス賞長編賞受賞作。第1作目は中国女性のリディアが主人公だったけど、本作は男性の私立探偵のビル・スミスが「わたし」であり主人公。この理由はわからないけど、いろいろな事件を対象にしたいということだろうか。
元私立探偵のビルは脳卒中になったあと仕事として警備会社に仕事を得て老人ホームで警備員をしていたが、そこでビルの甥のボビーがめちゃくちゃに暴行を受けて殺され、警察は犯人を近辺のチンピラグループではないかと目星をつけていた。それに納得できないボビーは犯人捜しをビルに依頼する。ビルは老人ホームの警備員となって潜入捜査を行った。
老人ホーム内の殺人事件を捜査するというストーリーですが、犯人はというと少し社会派であり、本書のような原因で起きる事件は日本でも起きてもおかしくない事件でした。第1作目が私立探偵小説の教科書どおりとしましたら、第2作目は少し意欲的に作者の個性が出されてきています。というわけで、☆☆☆★というところです。