ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『死亡通知書 暗黒者』周 浩暉 (著), 稲村 文吾 (訳),ハヤカワ・ミステリ,2014,2020ーー著者の夢のミステリにのせて

 kindle版ではなくて,ポケミスで読んだんだけど。しかし,ポケミスばっかり読んでるけど,新書という本当に持ち歩きに最適な大きさで,組版,用紙などがいいのわからないけど,読みやすくて,いいね。目に負担なく読むことができる。『三体』もポケミス版で出版してもらえないのだろうか。  

 本書は奥付紹介では,「中国で圧倒的な人気を誇り,英米で激賞された華文ミステリ最高峰のシリーズ第1弾」とのことで,ネタバレになってしまうため,ジャンルを特定することは難しいけど,サイコ警察ミステリのバリエーションの1つ。シリーズ化しているということは,警察官が同じなのか,犯罪者が同じなのか,なのでしょう。ということはスリラーになるのかもしれません。

 あるベテラン刑事が殺され,その犯人は「エウメニデス」と称される殺人者であった。そのエウメニデスは警察に「死亡通知書」を送り付ける。その死亡通知書は,執行対象,罪状,執行日,執行者が書かれ,まさしく殺人予告であった。その対象者は,自殺の教唆を行う,警察の捜査から逃れるなど法では裁かれることができない者であった。一体エウメニデスはなぜこのようなことを起こすのか。ベテラン刑事の後輩の刑事たち,技術顧問,犯罪心理学の専門家などでチームを組んで,追及していくのだが…。

 文章が私にとっては読みづらく,また内容そのものが頭の中でイメージしづらく,少し時間がかかってしまった。 最後まで読んでみると,著者が何をしたかったのかが理解できる。ある種の犯罪者の夢を紡いでいるように思える。というわけで,☆☆☆★というところです。

死亡通知書 暗黒者 (ハヤカワ・ミステリ)

死亡通知書 暗黒者 (ハヤカワ・ミステリ)