ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『方舟』夕木春央,講談社,2022ー密室内の殺人

 書店でのジャケ買いの謎解きミステリ。作者もまったく知りませんでした。山奥の大きな船型のホテルのような地下建築に宿泊した9名だが,突然の地震によって,出口が狭まり,地下に閉じこまれてしまった。そのうえ,地下水が徐々に増えて,地下建築の部屋そのものが水没してしまう。しかし,外に出る通路から脱出するためには1名を残さなくてはならない。そのような中で,1名が絞殺された。間違いなく9名の中に犯人がいる。犯人は誰なのか,その目的は?

 クローズドサークル内の殺人事件で,タイムリミット型という盛りだくさんのミステリ。ラストはなかなか良かったものの,人物画誰が誰だかわからず,中途が退屈でした。というわけで,☆☆☆★というところです。