ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『寝ながら学べる構造主義』内田 樹,文藝春秋,2002-06(○)

寝ながら学べる構造主義 (文春新書)

寝ながら学べる構造主義 (文春新書)

 構造主義という言葉は聞いたことがあるけれど,どんな意味なのかよく分からないという私にとって非常に分かりやすい本でした。タイトル通りですよ。

 このような思想は,あるものから自由になること,そして幸せになることを求めてのことでしょう。しかし現代人は,こういう思想を得ることによって,はたして自由に,幸せになったのでしょうか? しかし,もう元に戻ることができないのです。

 そうネット出現以前とその後のように。――私は,インターネットというものは便利だとは思うんですけど,そのために幸せになったとは思えんのですよ。ただ,世界が狭くなり,隠れる場所がなくなり,時間の流れが速くなっただけで。