ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

 『季刊S (エス) 2009年 07月号』飛鳥新社、2009-06

アニメ『とらドラ!』の監督の長井龍雪さんとキャラクターデザイン・総作画監督の田中将賀さんのインタビューを立ち読みしたところ、あまりにも素晴らしい記事でした。インタビュアーが『とらドラ!』をきちんと理解し、ファンが知りたいところを的確に聞い…

 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』 総監督・庵野秀明、2009

『エヴァ』の第2作目を都心からちょっと離れたシネコンで見てきました。いやー、参りましたね、傑作といってよいのではないでしょうか。アバンから最後の予告まで一瞬も見逃すことができない作画とストーリーでした。 この映画は、絶対ネタをまったく知らな…

 『イリヤの空、UFOの夏〈その1〉〈その2〉』 秋山瑞人、アスキー・メディアワークス、2001

2ちゃんのライトノベル板で高く評価されていたので、中学2年生が主人公というのに気恥ずかしさを感じつつも、近頃中坊ぽい気分になって、手にとってしまいました。 今回は、その1に「第三種接近遭遇」「ラブレター」「正しい原チャリの盗み方―前編」、そ…

 『わたしたちの田村くん 1・2巻』

小説がうまくコミカライズされていて、面白いです。コンパクトに小説第1巻をまとめています。松澤が生きる力がなく描写がされておりいいですね。でも、「ずっとだ」のシーンが、めちゃめちゃ好きなんですけど、ずっぽりカットされていたのは、ちょっとガッ…

 『ニコラス・クインの静かな世界』 コリン・デクスター、大庭忠男訳、早川書房、1977→1990

原題が『The Silent World of Nicholas Quinn』で、コリン・デクスターの第3作目の作品。もちろん、モース主任警部シリーズ。 海外学力検定試験委員会の一員のニコラス・クイン氏が、青酸カリによって毒殺されたところを自宅で発見された。ニコラス・クイン…

 『切断』 黒川博行、東京創元社、1989→2004

黒川博行氏の11作目の作品。本作は、謎解きというよりも、警察ミステリ小説。とにかくダークでサイコなので、テイストは折原一氏に似ている。 彼は、ある真夜中、病院に親友して、糖尿病性腎症治療のため入院中の水谷という男の頸動脈を包丁で切断し殺した。…

 『愛…しりそめし頃に… 9巻―満賀道雄の青春』 『バクマン。 3巻』

マンガ家マンガ2本を購入しました。最近そんなマンガばかりになってしまいました。やはりリアリティがあるということなんです。■『愛…しりそめし頃に… 9巻―満賀道雄の青春』 藤子不二雄A、小学館、2009 久しぶりの第9巻。テラさんの結婚式、好調な『シルバ…

 『ユダヤ警官同盟』 マイケル・シェイボン、黒川敏行訳、新潮社、2007→2009

私にとってマイケル・シェイボンは、『ピッツバーグの秘密の夏』でデビューした作家。『ピッツバーグ』の内容はよく覚えていないけど。 本作『ユダヤ警官同盟』は、アメリカ・アラスカ州ににユダヤ人の特別区があり、その返還が迫っているなかでの殺人事件を…

 『詩的私的ジャック』 森 博嗣、講談社、1997

『詩的私的ジャック Jack the Poetical Private』はS&Mシリーズ第4作目。4つの連続密室殺人という独創的な設定のミステリ。 僕が、森作品を読むのは、『冷たい密室と博士たち』『笑わない数学者』に続いて3作目。そのどれもが、謎解きミステリとしては、…

 『風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡』 宮崎 駿、ロッキング・オン、2002

渋谷陽一氏による宮崎駿氏へのロングインタビュー5本を集めたもの。渋谷氏がアニメ的なアプローチではなく、一人の映画監督としてインタビューしているので、ちょっと他とは視点が異なっています。6月5日に放映された『千と千尋の神隠し』を流し見て、積…

 『ローマ人の物語 (6)(7) ― 勝者の混迷(上)(下)、塩野七生、新潮社、2002

「ローマ人の物語」シリーズを年一つずつ読んでるなあ。偉いなあオレ。 本作では、カルタゴ滅亡語の紀元前2世紀半ばからカエサル出現までの物語。スキピオが死に、具ラックス兄弟が改革に失敗し、マリウスが出現し、スッラが秩序を戻し、ポンペイウスがオリ…

 『20世紀の幽霊たち』ジョー・ヒル、白石朗他訳、小学館、2008

スティーヴン・キングというよりもレイ・ブラッドベリを思わせる作風。ミステリではなく幻想小説に近いか。 「年間ホラー傑作選」「二十世紀の幽霊」「ポップ・アート」「蝗の歌をきくがよい」「アブラハムの息子たち」「うちよりここのほうが」「黒電話」「…