ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『猫の舌に釘をうて』都筑道夫、徳間文庫、1961、2022ーー二重・三重の設定の謎解きミステリ

 都筑道夫の長編ミステリ第2作目の作品。『やぶにらみの時計』と同様に短かったので、連続して読んだ。本作は昔読んだのだけど、まったく記憶にありません。初読とまったく同じです。発表はジャプリゾの『シンデレラの罠』の前年であり、オリジナリティがバリバリの作品である。作家・都筑道夫が主人公の作家・淡路瑛一の作品を書いたミステリという設定で、さらに淡路が自分を主人公としたミステリで非常に手が込んでいます。気をつけて読まないとその設定を忘れてしまい、☆☆☆★というところです。

 しかし都筑道夫って、元祖オタクだったのだなあと感じる。