ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『爆発物処理班の遭遇したスピン』佐藤 究,講談社,2022ーー現代ミステリ短編の傑作集

『テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞,第165回直木賞を受賞した作家の8本の短編を収めた短編集。才能ある作家には一冊傑作短編集があるけれど,本書はめったにない,その一冊。8本すべてがバラエティに富んでいて愉しめる。☆☆☆☆☆というところです。ちょ…

『かくして彼女は宴で語る—明治耽美派推理帖』宮内悠介,幻冬舎,2022ーー明治期の黒後家蜘蛛の会

宮内悠介氏の謎解きミステリで評判がよいという情報以外まったくもってなかったなか読んだら,明治時代の作家,詩人などの文化人の集まりの会が舞台で,そこで出された謎を舞台の西洋料理店の女中があっけなく解くという黒後家蜘蛛の会の日本版で驚いた。 し…