ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『悪いうさぎ』若竹七海,文春文庫,2004ーー私立探偵小説かと思わせた強烈なスリラー

私立探偵・葉村晶シリーズの第2作目・第1長編。『さよならの手口』『静かな炎天』が明らかに私の好きな海外ミステリの影響を受けていました。 2004年とずいぶん前の作品で、冒頭の葉村の心理描写がキンジー・ミルホーンの女探偵シリーズに似ています。 中途…

『 テヘランからきた男―西田厚聰と東芝壊滅』児玉 博,小学館,2017ーー東芝はなぜ凋落したか

元東芝社長についてのノンフィクション。新聞か何かの書評で気になって手に取りました。私は企業物や経済物などのビジネス書については、まったくの門外漢なので、東芝はアメリカの原発企業を高値で買い取って大いなる負債を抱えて倒産しそうになったところ…

『爆走社長の天国と地獄―大分トリニータv.s.溝畑宏』木村元彦,小学館新書,2010,2017ーーやはり間違っていたのではないだろうか?

一言でいえば傑作です。Jリーグに興味をもっている人には必読というか、一気に読まされてしまうだろうと思います。 読んでいて始終感じたのは、やっぱり溝畑氏のやり方は間違っていたのではないだろうか、という問題というか、違和感です。 「物事」を成し遂…

『完全恋愛』牧 薩次,小学館文庫,2008,2011ーー2009年度「本格ミステリ大賞」受賞作

辻真先氏の謎解きミステリ。2009年度「本格ミステリ大賞」受賞作で、2009年「このミステリーがすごい!」第3位、2009年「本格ミステリ・ベスト10」第3位。 タイトルは「他者にその存在さえ知られない罪を/完全犯罪と呼ぶ/では/他者にその存在さえ知られない…