ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『ミステリーの書き方』日本推理作家協会,幻冬舎,2010

ミステリ作家43名がアイデア、プロットの作り方、視点についてなどミステリ小説を執筆するコツを披露したもの。とくに印象に残ったのが東野圭吾氏の「オリジナリティのあるアイデアの探し方」。映画やマンガなどを読むとき、なぜそのように感じたのかを突き…

『ゴールデンタイム2 答えはYES』竹宮ゆゆこ, 駒都えーじ,アスキー・メディアワークス,2011/03

記憶喪失中の大学1年生の多田万里は、自称完璧なお嬢様の加賀香子に告白してふられた翌日から物語は始まり、大学入学後の履修科目の選択からサークル、飲み会と付き合うことになって、万里に焦燥感がつのるのだが……。まだ本編と言うよりもネタ振りの感じ。と…

『杉の柩』アガサ・クリスティー, 恩地三保子訳,早川書房,1940→1976

クリスティ中期の作品。エレノアという女性が裁判で有罪を追求されているプロローグではじまり、それから裁判までに至る物語が始まる。金持ちの未亡人で寝たきりのローラの姪エレノアが、その義理の甥ロディーと恋に落ちて婚約まで至りそうだった。しかしロ…

『粘膜蜥蜴』飴村行、角川書店、2009

飴村氏の第2作目の作品。第1作の『粘膜人間』がやたら面白かったので、こちらも期待。伊藤潤二氏のマンガをそのまま文章にしたような、一種戯画的な文体とキャラクターの立ち具合は相変わらずで、ぐいぐい読者を引き込みます。ホラーと言うよりもギャグで、…