著者は『少年ジャンプ』の創刊号から編集者としてかかわり元編集長の回顧録。後藤氏といえば、平松伸二氏の自伝漫画『そしてボクは外道マンになる』で主人公の初代担当で登場されています。『ジャンプ』の編集者の回顧録はおそらく3冊目で多いですね。それだけニーズがあったということでしょう。私のように読む人もいるわけですし。
本書は後藤氏が『ジャンプ』創刊号からのヒット漫画を分析し評したもので、あくまで制作側の一編集者からみたマンガ評で目新しい情報は少ないが、そういう意味で資料的価値はある。しかし、「『ジャンプ』は本宮ひろ志の雑誌であった」のような分析はない。私としては、80年代までは本宮ひろ志、その後を継いだのが鳥山明ととらえているのですが。