2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧
■『百姓貴族』荒川弘,新書館,2009 荒川弘さんの新刊2作。何かの広告を見て即購入。農業マンガというから、メチャクチャ期待したけど、アトランダムにエピソードが並べられているため、全体の印象がちょっと散漫。できれば、時系列にしてもらえると、一つ…
もう3巻なんですね。子どもが生まれたのかあ…。『失敗』から遠くへ行ってしまったのだなあ。この装幀は作者本人のリクエストのようですが、編集者のいうとおり、1〜2巻のテイストのほうがセンスがあって内容に則していると思いますけどね。僕の小規模な生…
ベスト10ガイドブックは、もはや評価が妥当かどうか考えるよりも、こんなにも面白いマンガを読んでいないことに絶望してしまいます。でも、現在以上にマンガ読書の時間を増やすのは難しいし…。 それでも、『バクマン。』『青春少年マガジン1978〜1983』『鋼…
名家に起きた大量毒殺事件を犯人逮捕を経て十年以上の経てから、各関係者が事件について、証言の述べるミステリ。ですが、あまり集中力をもって読まなかったので、何が何だか分かりませんでした。途中、青澤緋紗子について「?」なところがあったのですが、…
ホノオが上京して、小学館、集英社などにマンガ原稿を持ち込む話。私が興味をもった当時のネタとしては以下の通り。 ・『増刊少年サンデー』が月刊なのに何故「増刊」なのか? ・あだち充の『みゆき』のヒロインの新しさについて ・「手塚賞」「赤塚賞」「少…
海外ミステリ・ベスト20のうち、既読が『犬の力』『ユダヤ警官同盟』『メアリー-ケイト』、21位以下までみれば『幽霊の2/3』とまあまあ打率良く読んでいますね。今後は、『ミレニアム』『ソウル・コレクター』は文庫で、『バッド・モンキーズ』『泥棒は1ダ…
何でもやるのが特命係――法務省からの依頼で、仮釈放で出所してから一日で免許証の再交付を受けて、レンタカーを借りて、そのまま行方をくらました山部という男の捜索を行った。山部の更生保護施設に残された私物には、仮釈放許可決定書や海外移住マニュアル…
内田樹先生による日本人論。一読して、うーんと唸ってしまいます。その通りかもしれないと同意するけれど「だったら一体どうしたらいいっちゅうねん」と困惑してしまいました。なぜなら、日本人の考え方は効率的なのだからそのままでよいのだと言っているの…
カウフマン警視シリーズの第1作目の作品。いわゆる大規模警察捜査モノといってよいのだろうか。訳者あとがきによると、本作はカーに激賞されたらしい。それで興味をもって読みました。 元刑事で現在私立探偵のスパナーは、保釈金貸付業者からグリフィスとい…
私がライトノベルを気にするのは、ハリウッドの映画のように物語の方法論で書かれているから、何か新しい面白さが現れるのではないかと期待しているからなんです。また、男性向け・女性向けときちんと分かれているのもよい。でも、業界的に作家を食いつぶす…
とうとう最終巻でしたが、なんとなくハッピーエンドしてしまった感じ。のだめが立ち直るのにも、千秋が父親と和解するのにも、もっとドラマがあるんじゃないかと思っていたんですけどね。作者があまり興味なかったんですかね。のだめカンタービレ(23) (KC KI…
山田風太郎のミステリ短編集。『厨子家の悪霊』『殺人喜劇MW』『旅の獅子舞』『天誅』『眼中の悪魔』『虚像淫楽』『死者の呼び声』など7編を収録。登場人物の書き込みが少ないため、ちょっとシンプルな感じがしますが、ストーリーはそれぞれ工夫を凝らされ…
マンガ家いしかわじゅんの漫画に関するエッセイ集。前作『漫画の時間』の12年ぶりの続編ということで,A5判,430ページ強,2段組の大著。といっても,一つ一つのエッセイそのものが短く,どこからでも,さくさく読むことができる。ときには物足りないと感じ…
ある夜に仕事で車を走らせていた右京と神戸は、路肩に運転手も乗客もいない路線バスが停車していたことに不審に感じたため、中に入ってみると、バスの床には出血のあとがあった。警察を呼び捜査を始める。バスには、4名の乗客のものと思われる持ち物と「カミ…
1999年にワールドユースを準優勝した世代である「黄金世代」についてまとめたノンフィクション。1章「黄金世代誕生の背景と軌跡」とし、この世代が生まれた時代とどのように育てられたかを年代順に追って総論と位置づけ、2章「黄金世代証言集」では、小笠…
早川書房が発行する年間ベストミステリ案内ガイドブック。年間集計としては発行が早すぎだろうと呟きたくもなりますが、『このミス』との違いを鮮明にすることで、ミステリファンに対して両方とも購入させることを考えると、当然の発行時期ですね。 それに加…
ジャック・カーリイの『百番目の男』に続く第2作目の作品。『デス・コレクターズ』の書評では、しばしば「『百番目』ほどネタは強烈ではないけれどストーリーテリングがよくなった」と評価されていたため、ネタだけの作家だと思っていた私は、なかなか手に…
社会年金事務所の徴収課に勤める藤石という男が、ホテルの窓枠ごと外して、飛び降り自殺をした。藤石が警視庁の捜査二課の刑事の名刺を持っていたことが気になる右京は、鑑識課の米沢に事件の概要を伺うと、藤石の頭部と服にホテルの窓とは違うガラスの破片…
弁護士ペリイ・メイスン・シリーズ全82作中73作目の作品。なんと原著発行の翌年に翻訳されています。 ガードナーにしては、冒頭から犯罪とははっきりしない事件。殺人は、半分を過ぎた後しばらくして起こります。前半部分は、その殺人事件の犯人をわざと意外…