ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『憎悪の果実―私立探偵ジョン・タナー』スティーヴン・グリーンリーフ,黒原敏行,ハヤカワ・ポケット・ミステリ,1999/2001ーータナーは3度カマをかけて捜査する

私立探偵ジョン・タナー・シリーズ第13作目の作品。あと残りが少なくなってきました。本シリーズは、謎解きと意外な犯人がきちんと盛り込まれていて、ミステリとして正統派の貴重なシリーズだと思います。本書もまさしくそのような作品です。 タナーの入院先…

『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさいー人生100年時代の個人M&A入門』 三戸政和、講談社+α新書、2018

前回までフリーランス関係書3部作のような形で読んでしまいましたが、今回は偶然ですがちょっとしたスピンオフになりました。会社をもつということは、立派なフリーランスの一形態ですよね。 ちょっと前に、知り合いの印刷会社の社長さんに「印刷業界はやっ…

『フリーランス、40歳の壁――自由業者は、どうして40歳から仕事が減るのか?』竹熊健太郎、ダイヤモンド社、2018 ーーフリーランスを一生持続していくということ

フリーランスを知る本の第3弾です。竹熊氏のフリーランスとしての遍歴と他のフリーランスとしてうまく乗り切ることができている人へのインタビューが紹介されています。なぜ40歳から仕事が減るのかという疑問ですが、まあそのとおりのことが書かれており、…

『フリーランスがずっと安定して稼ぎ続ける47の方法』山田竜也、日本実業出版社、2018

アマゾン検索で引っかかってタイトルだけで購入。著者はWebマーケティングを専門とする人で、サラリーマンを3年半だけでフリーランスとなっています。内容は著者の経験に基づいたフリーランスの指南書。この経験に基づいたというところがミソで、その点が説…

『仕事に能力は関係ない。ー 27歳無職からの大逆転仕事術』中川淳一郎,KADOKAWA,2016

著者の経験をもとにして、フリーランスで仕事をとり、どのようにして生きていくかを語ったもので、今の私には非常に面白かったですね。ギャラについて、例えば『〇〇』という雑誌で1ページ編集すると5万円フリーの編集者に示されていて、ライター、イラス…

『隣接界』クリストファー・プリースト,古沢嘉通,幹遙子訳,早川書房,2013,2017

プリーストの新作で昨年評価されたようです。私にとっては『奇術師』『魔法』『双生児』に続く4作目です。集大成的な作品と評価されており、確かに奇術師、双生児が出てくるし、そう言われてみればそうです。しかし話は最後まで謎でした……。 隣接界 (新☆ハヤ…

『魔女が笑う夜』カーター・ディクスン、斎藤数衛訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、1950、1982ーーカーだから許されるトリック

カーの24作目の作品。探偵ヘンリー・メリヴェール卿(H・M)が登場する第20番目の長編作品。田舎村で起こった無差別中傷手紙事件、それによる自殺、密室人間消失事件を内容としています。 イギリスの古く伝統のある村で、匿名で無差別に村人の根の葉もない嘘…