ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「特集=週刊少年サンデーの時代 トキワ荘から『うる星やつら』『タッチ』『名探偵コナン』そして『マギ』『銀の匙』へ―マンガの青春は終わらない」『ユリイカ 2014年3月号』2014

『サンデー』に興味がない人、肌が合わない人にとっては何でこんな特集が成り立つのかわからないでしょうけど、私のようなサンデーっ子にとってはよくわかるんですよ。『ジャンプ』でも『マガジン』でもなくて、やはり『サンデー』なんですよね。だから『サ…

『ゴールデンタイム 8――冬の旅』竹宮ゆゆこ, 駒都えーじ,電撃文庫,2014

ラブコメ・ライトノベルの第8巻にして完結巻です。最後になって、今までの(第1巻からの)伏線を回収して、見事に着地しています。途中で、このシリーズはいったいどこへ向かっていくのか首をひねりましたが、なるようになったと言うところですね。ゴールデ…

『偽りの契り』スティーヴン・グリーンリーフ, 黒原敏行訳,ハヤカワ・ポケット・ミステリ,1994,1996

私立探偵ジョン・タナー・シリーズ第10作目の作品。この端正な私立探偵小説のシリーズもいよいよ残り少なくなってきました。孤独な探偵、消えた何か、正体が不明な依頼人、誤解を生じた人間関係、意外な結末に則っていて、私が求めているミステリそのものな…

『ヤンキー経済――消費の主役・新保守層の正体』原田曜平,幻冬舎新書,2014

ネット上で評判になった新書。135名のヤンキー層にインタビューして、いったい彼らがどのように生活を消費しているか、調査したものです。著者の目的は、「かつてのヤンキーが変容した形としての新保守層=マイルドヤンキーの実態と嗜好を明らかにします。ま…

『ジュリアン・ウェルズの葬られた秘密』トマス・H・クック, 駒月雅子訳,ハヤカワ・ポケット・ミステリ,2012,2014

クックの27作目の新刊。以前も書いたと思うのですが、過去の出来事を探るというストーリーのためか、クックの描写法は独特で、何が事実で何が事実でないのか、一読では判断できず、読んでいる間中、真っ暗の闇の中を歩くような不安な思いをします。 しかし、…

『瓜子姫の夜・シンデレラの朝』諸星大二郎,Nemuki+コミックス,2013/『夢見村にて――妖怪ハンター 稗田の生徒たち (1)』諸星大二郎,ヤングジャンプコミックス,2014

久々に『瓜子姫の夜・シンデレラの朝』『夢見村にて――妖怪ハンター 稗田の生徒たち (1)』と諸星大二郎2冊。「瓜子姫」の投げっぱなしラストには驚きました。続ければ面白そうな感じがしただけに残念。「夢見村」は妖怪ハンターシリーズのスピンオフ。まあ普…

『血の探求』エレン・ウルマン, 辻早苗訳,東京創元社,2012,2014

最近の新刊の中では評判がよかった作品。 あるダウンタウンのオフィスを借りた求職中の大学教授。ある日そのオフィスにいると隣の部屋から精神分析医が精神分析療法を行っている声が聞こえてくる。一人の女性が精神分析療法を受けているらしい。盗み聞きをし…

『日本人はこれから何を買うのか?――「超おひとりさま社会」の消費と行動』三浦展,光文社新書,2013

2030年以降、全国的な中高年の1人暮らしの増加、大都市での高齢者の1人暮らしの増加、50歳以上の未婚・死別・離別の増加など「超おひとりさま社会」が出現するに当たって、その前兆を見せている現在、消費がどのように変化するのかを、マーケティングの視…