ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『ブリリアント・アイ』ローレン・D・エスルマン, 村田勝彦訳,ハヤカワ・ポケット・ミステリ1475,1986→1989.

私立探偵エイモス・ウォーカー・シリーズ第6作目の作品。本書の訳者あとがきによると、アメリカ本国ではロバート・B・パーカーが「クラシックな私立探偵」ぶりにあると言及するぐらい人気があるらしい。しかし日本ではあまり翻訳されなかったということは、…

『ボトルネック』米澤穂信,新潮文庫,2006→2009.

パラレルワールドもののSFミステリ…ではないか。むしろSFと言い切っていいと思います。 主人公の嵯峨野リョウは2年前東尋坊の崖から落ちて死んでしまった恋人当時中2のノゾミを弔うために、現場に花を持って赴いた。そこで思わぬことから意識を失い、再び目…

『猟犬クラブ』ピーター・ラヴゼイ, 山本やよい訳,ハヤカワ文庫,1996→2001.

ピーター・ダイヤモンド警視シリーズ第4作目の作品。なるほど巻末解説の千街氏も引用している、ハードカバー時のオビのコピー「ミステリを愛するすべての読者に捧げる、ダイヤモンド警視シリーズ最大の問題作!」どおりの作品でした。 警察にバースで美術品…

『わたしの少女マンガ史――別マから花ゆめ、LaLaへ』小長井信昌,西田書店,2011.

本書の著者は『別冊マーガレット』『花とゆめ』『LaLa』『ヤングアニマル』『MOE』などの編集長、編集担当役員をつとめた方で、自らの編集者としてどのように関わってきたか回顧したエッセイ風ノンフィクション。もっと詳細に知りたいと感じさせるぐらい面白…

『ビブリア古書堂の事件手帖――栞子さんと奇妙な客人たち』三上延,メディアワークス文庫,2011.

発売以来少しずつ発行部数を拡大したベストセラーシリーズ第1作目の作品。確かメディアワークス文庫の第1回配本作品の一つだったような気がします。メディアワークス文庫そのものは、アスキーメディアワークスがライトノベルから離れてしまった、あるいは卒…

『特捜部Q――檻の中の女,ユッシ・エーズラ・オールスン, 吉田奈保子訳,ハヤカワ・ポケット・ミステリ,2008→2011.

本作はデンマークの作家の現代警察小説。内容は、テレビドラマ「相棒」+マンガ「オールドボーイ」。しかもキャラは立ちっぱなし。なんというか、キャラ立ちの海外ミステリしか翻訳されていないような気がする。 作者は、先日のエド・マクベインの87分署シリ…