ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

 『浦和レッズ敗戦記』小斎秀樹、文藝春秋、2009

本書と『都筑道夫 ポケミス全解説』を店頭買い。『都筑…』は「ぺえぱあないふ」が付いているというところに惹かれました。やはり僕は、都筑さんと若島先生の書評が好きですねえ。何といったらよいか、お得感がある感じがします。ミステリで文学性が高いこと…

 『黄金旅風』飯嶋和一、小学館、2004→2008

『汝ふたたび故郷へ帰れず』(1989.01)、『雷電本紀』(1994)、『神無き月十番目の夜』(1997)、『始祖鳥記』(2000)に続く、5作目の作品。とりあえず、これらの作品はすべて傑作といってもよいぐらい、外れのない作家。あえて挙げると、強烈なスリラーだった『…

 『相棒 Season 7』「第15話 密愛」

右京の大学時代のフランス文学の恩師で、フランス文学の翻訳家である、高齢の女性の宇佐美は、田舎の別荘地に住んでいる。彼女は、右京を呼び出し、5日前に別荘の密室の離れ小屋で服毒自殺した榊という男の近親者を捜すように依頼した。 中年男性の榊は、他…

 『相棒 Season 7』「第14話 男装の麗人」

帝都歌劇団のファンかつ団員のパトロンで女社長の山極が、自分のマンションの自室において死体で発見された。死因は、入浴後に扇風機の強風を長時間浴びたことによる急性心不全だった。第一発見者は、当日山極に呼ばれてきた、帝都歌劇団の男装の麗人役で山…

 『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』遠藤誉、日経BP社、2008

中国における日本のアニメ=動漫の大流行とその理由と影響がいかに大きいかを記した大著。著者は、1941年生まれで老人とも言える年齢で、400頁をオーバーする分量があるのですが、文章に癖がなくが上手いのでスルスル読むことができます。おそらく、こんな感…

 『泥棒は哲学で解決する』ローレンス・ブロック、田口俊樹訳、早川書房、1980→1995

泥棒バーニイ・ローデンバー・シリーズの第4作目。バーニィ・シリーズは、主人公が泥棒とあって、ルパン三世のような比較的軽めの作品シリーズ。 自ら経営する古書店でパーカーのスペンサー物を読んでいるところから始まる。 私こと古書店経営者兼泥棒のバ…

 『GIANT KILLING 9巻』/『とらドラ! 2巻 小冊子付き特装版』

先月購入したものですが。■『GIANT KILLING 9巻』綱本将也、ツジトモ、講談社、2009 大阪編完結の巻ですが、やはり盛り上がります。ジャイキリは、監督が何を仕掛けてきたか、何を目的としているかを推理するという要素の愉しみもありスリリングです。でも、…

 『相棒 Season 7』「第13話 超能力少年」

銀座警察署を訪れたのは、銀座のクラブに泥棒がはいるという予知をしたという少年と、それを訴える母親。2人は特命課へ通される。銀座のクラブに強盗が入るというが、それがいつ起こるのかわからないので早く捜査してくれと言うのだ。 銀座のクラブで強盗殺…

 『覆面作家は二人いる』北村薫、角川書店、1997

単行本の発行が平成3年ということは、今から18年前になる。北村薫氏は今まであまり面白いと思ったことがなったのですが、薄い短編集が読みたいと思って手にとったわけで、そんなに期待していなかったのですが、これがまた上質のコメディで面白く★★★★です。…