ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『大きな森の小さな密室』小林泰三,創元推理文庫,2008,2011

SF作家の小林泰三氏の謎解きミステリの短編集。目次に「大きな森の小さな密室 犯人当て」「氷橋 倒術ミステリ」「自らの伝言 安楽椅子探偵」「更新世の殺人 バカミス」「正直者の逆接 ??ミステリ」「遺体の代弁者 SFミステリ」「路上に放置されたパン屑の…

『追想五断章』米澤穂信,集英社文庫,2010,2012

本書は、大学休学中に古書店で働く大学休学中の青年を主人公にしたノンシリーズの謎解きミステリ。その青年、菅生芳光が店にいると、松本から来たという若い女性が、『壺天』という同人誌を探しているとお客としてあらわれた。 その同人誌の世話人がその古書…

『ラットマン』道尾秀介,光文社文庫,2008,2010

道尾氏のサスペンスミステリ。アマチュアロックバンドの練習中に起きたメンバーの1人が死んだ殺人事件にまつわる物語です。そのメンバーの1人である姫川亮という男が主人公なのですが、メンバーの1人がスタジオで起きた事件と言うことで、犯人はかなり限定的…

『スイス時計の謎』有栖川有栖,講談社ノベルス,2003

近頃、仕事で心が疲れているので、短編集がよいなと思って手に取った、有栖川氏の4つの中短編を収録した短編集です。収録作は、「あるYの悲劇」「女彫刻家の首」「シャイロックの密室」「スイス時計の謎」で「スイス」が100頁を占めます。すべての文字が謎解…

『楽園』宮部みゆき,文春文庫,2007,2010

本作は、宮部みゆき氏の代表作『模倣犯』の主人公のジャーナリストである前畑滋子の9年後のお話です。私は『模倣犯』をハードカバーの2001年発売当初に同僚に借りて読んでいるので、10年以上ぶりになります。 本書のオープニングから、主人公の前畑の前作の…

『ゴールデンタイム (7) I'll Be Back』竹宮ゆゆこ, 駒都えーじ,電撃文庫,2013

10月よりアニメも始まっていますが、意外にも面白いですね。今期の他のアニメがファンタジーあるいはスポーツ物ばかりで、『ゴールデンタイム』のような学園物がないせいですかね。香子のキャラクターが嫌みになっていないので、丹念にキャラの心情を追って…