ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『第三の時効』横山秀夫,集英社文庫,2003,2006

横山秀夫氏の第6作目の作品で6本の短編が収録されています。F県警の捜査第一課のメンバーをそれぞれ主人公にしており、F県警捜査第一課シリーズというものでしょうか。 収録作は「沈黙のアリバイ」「第三の時効」「就任のジレンマ」「密室の抜け穴」「ペルソ…

『仮面荘の怪事件』カーター・ディクスン, 厚木淳訳,創元推理文庫,1942,1981 ☆☆☆★

カーの中期後半のヘンリー・メリヴェール卿ものの作品。H・M卿が、奇術ショーを行うところが愉しい。 〈仮面荘〉(マスク・ハウス)の当主で実業家のドワイド・スタナップは絵画をコレクションしていた。仮面荘は劇場をもっているほど大きな屋敷で、大晦日の…

『1922』スティーヴン・キング, 横山啓明・中川聖訳,文春文庫,2010,2013

2010年に原著が発行されたキングの第3中編集を日本版では分冊して発行されたもの。本書はその前編でキングの中短編2作「1922」「公正な取引」を収録。 「1922」は、タイトル通り1922年に、妻を殺して井戸に遺棄した農場主の男が罪を告白するお話で、殺人に…

『薔薇の名前』ウンベルト・エーコ, 河島英昭訳,東京創元社,1980,1990

『東西ミステリーベスト100』http://d.hatena.ne.jp/hoshi-itsu/20121125 のとき、未読をチェックしたのですが、本書だけが読むつもりだったのに読んでいない作品でした。『フーコー』もすぐに文庫になったから著者が拒否していないから、本書も文庫になるの…