ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『ナイルに死す』アガサ・クリスティー, 加島祥造訳,ハヤカワ文庫―クリスティー文庫,1937→2003

質の良い謎解きミステリを読みたいと思うと、ローテーションでクリスティの出番が巡ってくるのはしょうがないですね。改めてクリスティやクイーンを読むと、ほかの作家を評価するとき、思わずダブルスタンダードを使ってしまうくらい、レベルの違いを感じま…

『できそこないの男たち』福岡伸一,光文社新書,2008.

福岡伸一氏の科学ノンフィクション。精子から遺伝子レベルまでの発見を通して、生物がメスからオスに変化したプロセスを述べた書。高校時代の生物の授業を思い出しました。タイトルは、生物のデフォルトの性別は女であり、男は一つの遺伝子によって生物的に…

『現代短篇の名手たち5 探偵学入門』マイクル・Z・リューイン, 田口俊樹・他訳,ハヤカワ・ミステリ文庫,2009

早川書房の「現代短篇の名手たち」シリーズの一冊。このような企画は大歓迎です。時間的や精神的に短篇しか読むことができないときがあるので、短編集は定期的に出版してほしいものです。それも「総頁数350頁以内」だと嬉しいです。出版社(編集者)は短篇だ…

『ゴールデンタイム番外 百年後の夏もあたしたちは笑ってる』竹宮ゆゆこ, 駒都えーじ,電撃文庫,2013

「ゴールデンタイム・シリーズ」の「番外」編。発売日とともに購入。わたしにとって、そのような小説はないので珍しい。 前回は「外伝」でした。本編からスピンオフの「光央の部屋」「百年後の夏もあたしたちは笑っている」「サマーナイトツアー」のコメディ…

『エンプティー・チェア』ジェフリー・ディーヴァー, 池田真紀子訳,文春文庫,2000→2006

リンカーン・ライム・シリーズ第3作目の作品。タイトルのエンプティ・チェアとは、『クライエントの心の中の分身・自分自身・重要な人物・事物・身体の一部・架空のものと対話の必要が生じたときに、クライエントの座るホット・シートの前にある空の椅子にそ…

『マニアックス』山口雅也,講談社文庫,1998→2003

マニアックなミステリ作家である山口雅也氏の短編集。「孤独の島の島」「モルグ氏の素晴らしきクリスマス・イブ」「《次号につづく》」「女優志願」「エド・ウッドの主題による変奏曲」「割れた卵のような」「人形の館の館」の9編が収められています。コレク…