新人作家コスビーの第2作目の作品。アメリカ映画っぽい、息子を殺された父親二人のバディが犯人を捜しまわる復讐+ノワールもの。
以前、第1作目の『黒き荒野の果て』を読もうと手にとってけれど、視点がコロコロ変わって読みづらくで最初の方であきらめてしまいました。本作では、視点の乱れは少々残るものの、再度の挑戦で、とりあえず最後までたどり着きました。
ほかに視点がバラバラで読みづらかった作家として、クリスチアナ・ブランドがあげられます。『緑は危険』はダメでしたね。
バディ二人が復讐に身を焦がし、過去を回想しながら、凶悪な犯人にたどり着くというストーリーでかつ、あまり謎解き要素はなく、犯人は社会的に憎むべき人物像で意外性がなく、クライマックスは派手で、単純なプロットで、視点はコロコロ変化し、まさに映画のようなミステリという感じでした。
本作は評価されているのは、まさにそれらが好転して、きちんとしたエンタメになっており、加えて、あまり仲がよくなかった二人の父親の主人公が、息子たちの過去を知って、斬鬼の念を味わうところに共感を呼ぶのでしょう。私はこのようなキャラクターは阿保らしいと感じて、共感しませんでしたが。
というわけで、☆☆☆★といったところです。